直売所を中心とした地産地消の推進 |
1 自分で作った農産物を地域の消費者に直接販売 |
■ 農産物直売所を設けるだけでなく、直売所内にて季節によって、イベント開催(例:収穫祭・農業際・産直際・味覚際)を実施していきます。その他、朝市・青空市のほか、既存施設の活用や量販店への出店など地域の実情に合わせた取組を考えていきます。 |
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市役所の駐車場を活用した朝市 | 既存施設等を活用した直売 |
農産物直売施設での販売 |
■ 「農産物直売所」等の地産地消の取組には、高齢者や女性などの小規模農家の活躍の場となるなど、様々なメリットの提案 |
取組のメリット |
高齢者や女性等の活躍の場の創出 小規模農家でも自らの作業能力や農地の状況に合わせて無理なく生産・出荷できる |
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自分で価格設定ができる ほか、顔が見える関係で 主体的に販売可能 安全・安心な農産物の提 供や適正な表示に責任をもって取り組みましょう。 |
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流通コストが節約できるため、農家の手取りが確保できるほか、消費者も新鮮な 農産物を割安に入手可能 <従来> 農家→農協→市場→量販店→消費者 <直接販売> 農家→ 直売所→ 消費者 |
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加工・観光などとも連携し6次産業化が可能 (付加価値化、雇用の確保等) |
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2 直売所を設置提案 |
■ 来店できる消費者の数や競合する店など、それぞれの地域の特性を調査・検討して場所を当社と共に決定して行きます。 ■ お客様が入りやすく、お客様を呼び込めるような直売所をデザインして行きます。 |
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消費者の来店数が確保できる商圏(中山間地域でも都市からアクセス可能な場所など) |
主要幹線道路沿い、駐車場の確保など集客しやすい立地 | 量販店へのインショップやアンテナショップでの取組 |
直売所の現状 |
■ 全国の農産物直売所数 | 13,538 | ■ 直売所の年間売上額 | 平均約1億円 | |
中には20億円を超える直売所も | ||||
定期的に消費者と直接対面で販売するために 開設した場所又は施設。季節性が高い農産物販売 のための時季を限定して開設したものを含む。 出典:農林水産省「2005年農林業センサス」 |
出典:(財)都市農山漁村交流活性化機構 地産地消の実態及び推進効果の把握に関する調査 常設・有人・周年営業(週3日以上営業)の4,645直売所 |
直売所の課題 |
直売所の課題は、出荷者の確保、年間を通じた魅力ある品揃え、集客数の確保、組織運営等となっています。
出荷者の確保 | 魅力ある品揃え | 集客数の確保 | 組織運営 |
・出荷者の高齢化(66%) ・出荷会員獲得(20%) |
・品揃え(60%) ・品質管理(37%) ・新商品開発(24%) |
・集客(40%) ・競合、競争(17%) |
・組織運営(16%) ・POS等システム導入(13%) |
・出典:(財)都市農山漁村交流活性化機構「地産地消の実態及び推進効果の把握に関する調査(複数回答)」
3 品揃えを確保して行きます。(経営の高度化Ⅰ) |
■ 直売所などで取組を拡大するためには、品揃えを年間を通じて確保することが必要です。 |
品揃えのための取組 | 特徴ある直売所づくり |
□ 作物生産の多品目化や周年化 □ 出荷者数の増加 □ 加工品などへの取組 □ 他の直売所などとの連携 |
□ 地域特産作物、地域の伝統食品などの他にはない品揃え □ 季節感のある品揃え □ 新鮮で信頼できる農作物の品揃え |
■ 少量多品目の生産出荷体制づくりは基本であり、作物の栽培研修会などによる作付品目の拡大の支援をして行きます。 |
少量多品目の生産体制づくりに向けた取組例
①生産・出荷カレンダーを作成し作目拡大を促進
②栽培マニュアルを作成し、栽培講習会・研究会等の実施
③冬場の生産確保のためのハウス等栽培施設の導入
④保冷庫の導入
⑤定期的な営農指導や技術指導者の設置
⑥登録出荷者の組織化を図り、情報交換等を実施
(事例) 生産者の会「顔の見える」産直振興推進協議会
○先進的農家を産直相談員(アグリキャップ)として任命し、栽培技術等の研修を実施。
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(事例) 産直直売所 ○出荷カレンダーを活用して、キャベツ・ハクサイ・レタス・ピーマン・ダイコンなどの品目毎に地場生産ができるものを月別に掲示。
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〔安全・安心な農産物の生産と情報発信〕 直売所では消費者の信頼に応えた農産物を販売することが何よりも重要です。 食の安全等へのニーズに対応するため、化学肥料や農薬の適正資料を徹底するほか、生産履歴の記帳などの取組が必要です。 また、信頼を裏切らないために、表示が正確であり、生産者や農産物の情報 なども発信していくことも必要です。 |
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集落単位での農薬や肥料の使用に関する研修会 |
4 効率的な集荷体制を確立します。(経営の高度化Ⅱ) |
■ 消費者ニーズに合った生産・出荷ができるように販売管理システム(POS)データなどを分析してみましょう。 ■ 販売状況を携帯やFAXなどに送信できるシステムを使うと、売行きに応じた出荷ができるようになります。 |
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□ POSシステムにより生産者別・品目別・月・日・時間帯別の売上状況から消費者ニーズを把握 □ 最新の販売状況を生産者にFAX、自動メールなどで伝えることにより、追加出荷なども可能 |
販売状況をITを活用したシステム導入にて、即時に生産者が分かる体制を整備し、各生産者が農産物を効率的に出荷。
■ 高齢者や女性も無理なく農産物を出荷できる体制づくりなどにも取り組んでおります。 |
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□ 地域内に拠点集荷所を設置し、生産者の出荷物を巡回集荷 □ 高齢者農家などの出荷を他の農家が助ける体制づくり |
(事例)地域産直振興推進協議会
高齢者でも出荷しやすい体制とするため、地域の40カ所に拠点集荷所(40カ所)を設置。地元運送業者と連携して、2トントラック(保冷車)により巡回集荷。
〔直売所のネットワーク〕 直売所周辺の出荷者だけではどうにも品揃えの難しい品目や時期がでてきます。 しかし、その部分を市場からの購入ばかりに依存すると、直売所の魅力が失われてしまいます。このため、直売所間でネットワークを作り、品揃えを確保する取組が進められています。 |
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宮城県の「こだわり市場」では、兵庫県産の農産物を販売 | 兵庫県「こだわり市場」の農産物を宮城県「こだわり市場」で販売 |
「こだわり市場」加盟グループに於いて、全国各地の地域別季節の集出荷体制確立支援 |
5 農産物の加工などにも取り組んで行きます。(経営の高度化Ⅲ) |
■ 農産物の付加価値化に加えて、新しい雇用が生まれ、また、品揃えもよくなるので、直売所の活動が広がります。 |
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加工品の生産に伴い新たな雇用も生まれます。 | 直売所の年間を通じた商品の品揃えが確保されます。 |
■ 簡単な加工品から始めて、地域の農産物を使って直売所らしい加工品の販売を確立します。 |
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地域の農産物を活かした食品など、身近な加工品から始めて見ましょう。
加工品の製造販売では、いくつかの許可が必要です。早めに保健所等と相談しましょう。
営業できる品目 |
営業許可 |
まんじゅう そば、うどん 弁当・米飯類 サラダ 味噌 納豆 |
菓子製造業 めん類製造業 飲食店営業 そうざい製造業 みそ製造業 納豆製造業 |
■商品名:あしたのおやつ 4種セット ■内容量: あしたのおやつ フルーツチップス 20g あしたのおやつし 野菜チップス 20g あしたのおやつ ごぼうスティック 30g あしたのおやつ しょうがスティック 30g ■原材料:フルーツチップス[りんご、柿、キウイ、ブルーベリー、植物油脂] 野菜チップス[ごぼう、さつまいも、かぼちゃ、にんじん、むらさきいも、ゴーヤ、植物油脂] ごぼうスティック[さつまいも、でんぷん、加工黒糖、ごぼう、ごぼう粉末、ごぼう茶粉末] しょうがスティック[さつまいも、でんぷん、砂糖、クリーム、有機栽培紅茶抽出液、しょうが粉末] ■保存方法:直射日光・高温多湿を避けて保存してください。 ■賞味期限:枠外記載 ■配送:常温便 |
6 異業種との連携や「6次産業化」により、地域全体での 取組を実施して行きます。(より高度な戦略的取組へ向けてⅠ) |
■ 農産物加工に加え、外食や観光等の異業種と連携することで、直売所の集客数の確保、販売額の増加、雇用機会の増大等が期待されます。また、地域住民へのサービスにも貢献できます。 |
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直売所にレストラン等を併設したり、地域の外食・観光業と連携することで集客力も高まります |
福祉施設やディサービスへの提供で地域住民への貢献もできます。 |
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■ 直売所を核とした地産地消の取組は、他産業との連携の下に地域を丸ごと売り込むことで、都市住民との交流や憩いの場を提供するなど地域活性化にも貢献することとなります。 |
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地場農産物に関するイベントの開催 |
地域住民に対する農作業体験・交流活動 |
観光農園、グリーンツーリズム等の取組との連携 |
7 地域内の連携強化や地域外への拡大にも取り組んで行きます。 (より高度な戦略的取組へ向けてⅡ) |
■ 地域内の様々な関係機関・団体等の組織的な取組で、地域が一体となった地域地産の活動へと発展します。 |
食のまちづくり宣言 | 地産地消の日 | ||||||
こだわり農産物 ・無農薬農産物 ・有機栽培農産物 ・特別減農薬栽培農産物 ・無添加加工食品 ・特別減農薬加工食品
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食育を通じた自然との共生と地域内の連携、地元産の安全な食材の利用、食を通じた地域外住民との交流等を内容とした『食のまちづくり宣言』を実行します。 |
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■ 地域外への発展や都市消費者との連携により、地域農産物への需要が拡大します。都市部の量販店等とよく話し合いニーズに見合った集出荷体制の確立が必要です。 |
インショップが東京都内にあります。 産地直送される野菜は都市消費者に好評です。 |
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都内などに直営のアンテナショップやレストランを設置 |
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8 学校給食へも地元農産物を提供提案 |
■ 学校給食で地場農産物を利用するためには、生産サイドと学校給食サイドが連携し、計画的かつ安定的な食材の納入が重要です。 |
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1 生産サイドと学校給食サイドのマッチング
・生産者と学校給食を担う栄養士さん等が意見交換し、地域の農業や給食の調理現場のことをお互いに理解する場を作ることからスタート。
2 生産サイドと学校給食サイドの連携
・給食で利用できる地場農産物を検討。学校給食サイドは、毎月の献立計画を策定して食材を発注。生産者サイドは、詳細な納入計画を策定。
3 安定供給する体制づくり
・異常気象や納入時の事故により予定の農作物が納入できない場合に備えた供給体制が必要。生産者のネットワークづくりのほか、確保できない場合の方法(代替品をグループ「コミュティデザイグループ」からの確保等)も事前に検討が必要。
4 食育としての取組
・学校給食での地場農産物利用を通して、子供たちの農業と食べ物に関する理解を促進。農作業体験や生産者との交流も積極的に導入。